私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「夏!!」
手を振りほどいて夏に向かって走る。間に合えッ!!
両手を伸ばし、夏に思いっきりぶつかる。
その瞬間、頭の上を何かがかすめていく。
床に倒れ込んだまま2階を見ると、冷たい視線がぶつかる。
自然と夏を抱きしめる力が強くなる。
「秋奈!」
「来ちゃダメ!!」
リツキと視線を合わせたまま今にも飛び出してきそうな声を制し、ゆっくりと起き上る。
銃口は間違いなく私の額に向いてる。
「それ、降ろして」
「あ?てめぇが指図してんじゃねぇ!!」
倉庫中に響き渡る重い音。左の頬が熱い。
何かが伝ってくるのは分かったけど、動こうとはしなかった。
「夏はもう自由になったんだ!あんたとやり合う気なんかない!」
「紫炎の総長は俺だ。夏樹を渡すわけにはいかねぇな」
「あんたが勝手に決めただけだろ!」
「黙れ!!」
足元に弾丸が食い込む。
拳銃って何発あるの…?少なくともこれで5発。後何発あるんだ…!