私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
柄の方から先がない木刀を捨て、近くに転がってる角材を拝借する。
階段を降りてくる足音がやむ。
ゆっくりとした動きでこちらに顔を向けたリツキは銃口を向けてくる。
「てめぇら1人ずつあの世に送ってやる」
銃口が向く先は私。角材を握る手に力がこもる。
一か八か…。右足を後ろに引き、息を沈めていく。
視線を逸らさないまま、時間が過ぎていく。
リツキの指に力がこもった瞬間、体を沈め、駆け出す。
その時、豪快な音共に倉庫のシャッターを打ち破ったバイクが倉庫内に突っ込んでくる。
思わず動きを止めてそちらを見ると、バイクはまっすぐリツキへ突っ込んでいく。
リツキが銃口を向けようとしたけど、目の色を変えてその場から離れる。
片足を地面につけ、リツキがいたその場所でバイクはターンを切って止まる。
けたたましいエンジンの音。
バイクにまたがったままヘルメットを取ったその人は、リツキを睨みつける。