私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「よう、久しぶりだな」

「ッお前は!!」

 瞬時にバイクの人に銃口を向けたリツキ。

 だけど、別の場所から聞こえてきた音の直後、その手から拳銃は弾き飛ばされる。

「お~っと、動くんじゃねぇよ。リツキさん?」

「ッ…」

 バイクの人の仲間らしい人が打ち破られたシャッターの傍で拳銃を構えている。

 何が起こってる…?

 バイクの人は、バイクのエンジンを切ってこっちに振り返る。

 思わず身構えたけど、肩に手を置かれた。

「トーマス?」

「あいつらは敵じゃねぇよ」

 トーマスは視線をバイクの人たちに向けたままだ。

 視線を戻すと、バイクの人はリツキを睨みつけてる。

「どうして、てめぇらが!」

「襲撃されてるって聞いたからよ。手柄横取りにな」

「あぁ!?」

 リツキに対して、バイクの人たちの態度は余裕そのもの。

 一体何者なんだろう…。
< 321 / 341 >

この作品をシェア

pagetop