私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「リツキさんよ。素人に薬、拳銃まで出したんだ。ようやくてめぇのしっぽ、掴ませてもらったぜ」

「ッ…」

「おい!ここにいる紫炎の奴ら、全員捕まえろ!!」

「「「はい!!」」」

 バイクの人の号令で倉庫の外にいた人たちがなだれ込んでくる。

 多少の小競り合いはあったけど、あっという間に紫炎の人たちは捕まって、連れ出されていく。

「ッ兄貴!」

 夏が駆け出して行った先は恭也の元で、バイクの人2人に抱えられた恭也はぐったりとしたまま動かない。

 慌てて駆け寄ると、恭也は目を閉じたままピクリとも動かない。

「総長、どうしましますか」

「救急車呼べ。息はあんだろ」

「はい!」

 1人が倉庫の外へ走っていく。

 バイクの人が言うように、確かに息はあるみたいだ。

 銃弾が貫いたのは確かに頭。夏が必死に呼びかけてるけど意識は戻らない。

「んで、あんたがじゃじゃ馬娘?」

「は!?」

 思わず顔を上げるとバイクの人がいて、思わず顔をしかめた。
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