私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「なんで俺らを頼らなかった!秋奈と瞬桜は別として、俺らはケンカできんだぞ!!!」

「巻き込みたくなかったんだよ…」

「隠してたてめぇのせいでこっちは準備もなしにケンカ売られるわ、秋奈が突っ込んでわでどんだけ迷惑したと思ってんだ!!」

「…」

「俺ら舐めんのもいい加減にしろ!てめぇに守ってもらうようなやわじゃねぇんだよ!!」

 夏への怒りは溜めに溜めこんであったかのごとく次々に出てくる。

 夏が何か言っても全部跳ね返されてる。

 と言うより、黙らされてる。

 トーマスは特大のため息をつくと、でもと言って表情を和らげる。

「2人とも何とか無事で取り返せてよかったよ」

「「…ごめんなさい」」

「そこは謝るとこじゃねぇだろ」

 差し出してくれた手。

 その手に掴まると、立ち上がらせてくれる。

 …でも足がびりびりで正直歩けない…。

 夏は立てなくて転がって行った。
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