私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「冗談なわけないでしょ?大丈夫、絶対赤点とか取らせないから」

「っ…お、お手柔らかにお願いします」

 お手柔らかに済めばいいけど…。うん、たぶん絶対無理だ。

 それは言わないでおいて、夏のジャージを離してまた歩き始める。

「あ、文化祭一緒に回ろうね」

「来週だっけ?」

「うん。立花と3人で!」

「瞬桜は?」

「瞬は知らない」

 女の子にたくさん囲まれてたもんね。

 多分あっちこっちから誘われてるから一緒に行けないと思う。

 本当は4人で回りたかったけどしょうがないよね。

 不意に夏の表情が引きつる。

 ん?振り返った瞬間、頭に何かが落ちてきた。

「ッ~!?!?」

「何が知らないだ。あ?」

 頭抱えてうずくまってると、上から降ってきた声はすごい低い。

 嫌な予感…。ぎこちない動きで顔を上げると、思いっきり睨み付けられてた。
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