私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「う~ん、話したいことあったけど、直斗さん来てからにするね」
「え?何かあった?」
「男性陣にはちょっと痛い話かも」
「えぇ、マジか…」
「仕事増えたら笑うぞ。俺」
「あはは…」
笑えない。仕事増えるのは確実だもんね。
何となくしゃべって直斗さんを待つ。
それにしてもこんなにぎりぎりに来る人だったっけ?
もうちょっと余裕持ってきてたと思うんだけどなぁ。
たわいもない話をしていたところに、不意にドサッという荷物を投げたような音がする。
振り返ると、そこにはボロボロになった直斗さんが倒れていた…。
「…え?…な、直斗さん!?」
「秋奈!」
駆け寄ろうとしたらノンタンに腕を掴まれてそれ以上進めない。
なんで直斗さんがこんなことに…。
呆然としていたところに、2人、知らない男の人が入って来た。