私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
「ッチ、勝手に落ちてんじゃねぇ!」
「っあ゛…っげほっげほ」
「夏樹の居場所を吐け」
「はぁ…はぁ…」
「聞いてんのか!!」
「ちょい、キョウヤ!女の子にそんな乱暴に…」
声が遠い。ただ、あちこち痛すぎて意味が分からない。
いっそのこと、意識が飛んでしまえば楽なのに、かすんではいるけど留まり続ける意識は沈まない。
お腹、頭、顔。
次々に来る衝撃が一体何のかも分からない。
ただ、痛くて、気持ち悪くて、苦しいだけだった。
もう、視界も何を映しているのかもわからない。
意識が沈みかけた時、不意に耳に飛び込んだのは鈍い音と、指先に走る激痛で落ちかけた意識が急激に上がった。