私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「あ~あ、気絶しちゃってるし。どうすんだよ」

「女の子にここまでするなんて、キョウヤもひでぇことするなぁ」

 ここに攻めてきた奴らが余裕な顔でキョウヤに寄っていく。

 この銀髪を含めて5人。

 キョウヤと始めに入って来た細い奴と、裏口にいた茶髪の天然パーマ、銀髪、キョウヤ。

 そしていつの間にか増えていた小柄な茶髪。

 そのたった5人に志季はやられた。

 秋奈と瞬桜以外はそれなりにケンカができるはずの志季が、たった5人に。

 表の方には紀仁、大貴、鳥羽、匠、星が横たわっていて、裏口のすぐそばに日真里、沙緒、彗が気絶はしていないみたいだけど逃げようとしなかった。

 それは多分、秋奈が人質に取られているせい。

 今もキョウヤの腕に捕えられている秋奈は目を覚ます様子もなく、ただぐったりとしたままだ。

「キョウヤ、その子、ここの総長だったみたいだよ」

「あ?」

「え、マジで?階段から落ちるような間抜けが?」

「夏樹もとんだ腰抜けになったもんだ」

 銀髪はあっさりと告げる。はじめから知ってたのか…。

 でも、他の奴は意外そうにしてるから言ってなかったらしい。
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