私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 みやさんにみんなの分のパーカーを貰って、また外にかけだす。

 メインの十字路のところまで走ると、あれと言ったようにひまっちとノンタンがこっち見てた。

「あれ、あきなっちそれ…」

「夏用だって!みんなも衣替えだよ~!」

「衣替えって、今更か」

「おぉ!なんか涼しそう!」

「お前ら、ど真ん中で固まるなよ~」

 続々集まる志季のメンバーにミートさんのお叱りが飛んできた。

 いそいそとみんな夏用のパーカーに代わるとなんだかまた雰囲気が違って見える。

「いいなこれ」

「よかったぁ。腕まくりすると日焼けするから熱いの我慢してたんだよね」

「涼しいっす!」

 みんなの喜んだ顔に、ミートさんやお父さんが笑ってみてる。

 お父さんにありがとと口パクで言うと、照れくさそうにお店に引っこんじゃった。
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