私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
7.残ったモノ

悲しみの中で 六花side


 真っ白な壁、真っ白な衣服。真っ白なベッド。白に包まれた建物の中。

 消毒液のにおいが充満した独特なにおいも慣れ始めてしまった。

 そして、今日もまた同じ部屋の、同じベッドを訪ねる。

「瞬桜?」

「六花…」

「にーちゃんのかのじょ?」

「違う」

「えぇ、かのじょだとおもったのにぃ」

 今日もまた子どもたちに囲まれてる瞬桜は、からかうような声を否定する。

 子どもたちは文句を言いながら、それぞれのベッドや部屋に戻っていく。

 そんな子どもたちを困ったような目で見送った瞬桜は、私に視線を向けて苦笑する。

「毎日来るの大変だろ」

「気にしないで」

 本当にそんなことを気にしてほしくなかった。瞬桜はまた困った顔をする。
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