私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 あれから2日経った。

 夏樹が去った後、私たちは手分けして商店街の人たちに伝えたり、救急車を呼んだりして、たまり場は騒然となった。

 救急車で運ばれたのは秋奈、瞬桜、直斗の3人で、他のメンバーは商店街の人が出してくれた車で病院に向かった。

 瞬桜は打撲が酷かったけど、その日のうちに意識を取り戻して、念のためと言う理由で今日まで入院。

 直斗はその日のうちに家に戻れた。

 他のメンバーも軽く治療を受けて、今は自宅療養。

 当然のように志季の活動は休止になって、怪我がほとんどなかった女子もそれぞれのお見舞いとかで動いてる。

「退院、できる?」

「あぁ、さっき説明があったから、親が戻ってきたら出れる」

「…そう」

「…秋奈は」

「…」

 瞬桜の問いに首を横に振ることしかできなかった。

 その途端、瞬桜の顔が歪んだのを視界の隅でとらえる。
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