私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)
ただ眠っているようにしか見えない秋奈の表情がこの3日変わることはない。
ただ、傷の色が青くなっていくのが秋奈の唯一の変化だ。
「瞬桜くん、六花ちゃん、なるべく早く戻るから、任せていいかしら」
「はい。気を付けて」
「ありがとう。いす座ってね。春馬が起きたらお昼代そこにあるからって伝えてくれる?」
「分かりました」
「じゃあ、お願いね」
秋奈の母親は着替えとかの荷物を持って病室を出て行く。
昨日も同じように任されて、秋奈の母親はいったん家に戻っていた。
秋奈の母親が出て行って、瞬桜は弟の反対側でいすに座って、秋奈を見つめた。
「秋」
秋奈の頭を撫でながら瞬桜は少しだけ笑う。
その顔を見るのが辛くて視線をあまり向けないようにしてる。
瞬桜の目が、なんで秋奈なんだ。なんで俺じゃないんだって、ずっと自分を責めている目を見るのが辛い。