私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「あぁ、なるほどな…」

「これで言いたいこと書けばいい」

『ありがと』

 早速活用した秋はなぜか自慢げにホワイトボードを見せてきた。かと思ったらすぐ消して、また書き始める。

 そんな慌てて何が言いたのやら。

 少し待ってまたホワイトボードを見せられる。

『夏どこ?なんで来ないの?商店街手伝ってるから?』

 まさかの質問に思わず六花と顔を見合わせる。

 またホワイトボードを手元に戻して何か書き始める秋になんと言ったらいいか分からず口ごもっていると、また見せられる。

『夏どこか行っちゃってないよね?』

 言いたいことは伝えられたのか、じっと俺と六花を見て答えを待つ秋は、本当に何も覚えてないらしい。

 ただ、言ってもいいのか分からなかった。

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