似たもの同士。
「わかんないよ......。なんで私だけ......」
私のこと好きって言ってくれる割には、2人とも気持ちに気付いてくれない。
2人が......遠い。
「わかんないって......ねぇ?海翔」
「私だけって......ねぇ?陽翔」
「......え?」
後ろから、2人の声がした。
「好きな人の為にライバルと勝負してんだよ」
にひっと歯を見せて笑う陽翔。
「瑠璃華もいないと、2人でいる意味なんてないし」
にこっと目を細めて笑う海翔。
「勝負は......?」
体育館の方を気にしながら、2人に訊ねる。
「なんか、やっぱり俺1人じゃ手に負えないし。瑠璃華わがままだから」
「3人じゃないとしっくりこないんだよね。悔しいけど陽翔もいれてあげることにした」
「「だから、3人で出掛けよ!」」
2人は声を揃えて言う。
「......やっぱり、そうなるんじゃん」
私は呆れながらため息をついた。