カメラ越しの君に
" ん?もしもし?明? "
携帯から聞こえた桜子の声が
私を我に返らせた
「あっ!ごめん、ううん!なんでもない
そっか、じゃあ気をつけて帰ってね!」
" なにー?変なのー。まぁ、頑張ってねー! "
と桜子は電話を切った
わたしは見ても良かったのか
頭の中がぐるぐるして
あんな寂しそうな目を始めてみた
その場に止まっていられなくて、ふと目に入った
斜め前にある棚のカメラを取ろうと立ち上がった