キミの笑顔にさようなら〜短編〜

1章 キミの笑顔

お昼のチャイムが鳴り皆それぞれ友達に声をかけてお弁当を広げている。
私も仲のいい友達2人とお弁当を囲んでいた。
水野茜(Akane Mizuno)元気で明るくて、いつも相談に乗ってくれてる。小学校からの付き合いで親同士も仲がいい。
そしてもう一人は、高校で知り合った鈴野千紗(Tisa Szuno)千紗は、少し派手な女子。
化粧とかもしていて、少し怖い先輩と付き合っている。でも、友達想いの優しい人なんだ！
そして、そんな優しい2人の友達がいる私は、佐々木彩芽(Ayane Sasaki)。どこにでもいそうな平凡な高校1年生。
特に何か取り柄があるわけでもなく…ただただ、平凡な高校生。
と、まぁ私のことはこんなものかな？
3人で教室でお弁当を食べながら話していると、怖そうな集団が私たちの前でとまった。
千紗が、笑顔になりその内のひとりに話しかける。
｢修司っ！会いに来てくれたの？｣
千紗は、嬉しそうに修司先輩に抱きつく。
修司先輩は、千紗の彼氏で私たちの2個上の先輩だ。つまり、同じ高校の３年生。
｢ちょうど飯食ってたのか？｣
修司先輩は、私たちの方をチラッと見る。
私は、少し怖くて俯いてしまう。
｢そうだよ！修司達はご飯食べないの？｣
千紗は、楽しそうに話している。
私は、やっぱり怖くてただ黙って下を向いていた。
｢修司くん、彩芽困ってるでしょ！千紗も話すんなら2人で話してっ｣
茜が、修司先輩と千紗に一言そう言うと2人は、顔を見合わせて廊下に出ていった。
私は、少し悪い気がしながらもホッと方をなでた。
｢ありがとね？茜…｣
｢いいよ、気にしないでっお弁当食べよっ｣
茜は、凄い人だな…そんなことを思いながらお弁当を食べた。
私もいつか、千紗や茜みたいにもっと、サバサバした人になりたいな…。
少しして千紗が戻って来た。
｢ごめんね？彩芽…｣
千紗が、少し肩を落としながら言ってきた。
なんか、悪いことしちゃったな…。
｢んーん、私の方こそごめんね？まだ、慣れてなくて…｣
私は、正直な気持ちを答える。
千紗は、少し微笑んで｢そっか｣そう言ってお弁当を食べ始めた。
皆で、話しながらお弁当を食べる。
些細なことだけど…それでも皆とこうしている時間が私にとっては、すごく嬉しかったりする。
お弁当を食べ終えて私たちは理科の実験で移動教室だった。
3人で、教室を出て理科室に向かっていた。
私は、筆箱を忘れたことに気づいて教室にひとりで戻った。
机の上に置いてある筆箱を持って理科室に向かう。
｢おい｣
後ろから知らない声に呼び止められて私は後ろを見た。
あ、この人…修司先輩達といつも一緒にいる人…。
声の主は、修司先輩たちといつも一緒に来ていた人だった。
名前は…確か…。