夢の続きは隣の部屋で…

「なんてね、あながち嘘じゃないと思うけど。私、藤野悠果(ふじの ゆうか)、あなたは?」

「あっ、秋元乃里花です」

「乃里花ね、よかったらこれから仲良くしない?拓登のお隣さんってことで、なにかあったら守ってあげられるかも」

悠果はニッコリ笑って話しかける。笑顔がとても似合う元気で可愛い女の子だ。

「はいっ、よろしくおねがいします!!」

「敬語なんか使わなくていいよ~!乃里花、高校生だよね?」

「はい、、じゃなくて、うん、今年の春から高1!」

「私の1こ下だ。どこ高?」

「昨日制服着てたの見て思ったけど、たぶん同じとこ!」

「マジで!?じゃぁリアルに後輩じゃん!!」

なんてやりとりをしながら、ようやく見つかったカギを手に、2人はマンションの中に入っていった。

エレベーターで4階に向かいながら、乃里花は悠果をちらっと見る。拓登の彼女的存在の悠果に少なからず複雑な感情を抱くが、東京で初めて友達が出来た気がして嬉しくなった。

それに今の拓登を知る良い機会かもしれないと、少し期待を寄せた。

エレベータを降りながら、悠果は昨日よりもチークの色が濃く、化粧が少し派手に見えることに気が付いた。制服と私服でメイクも替えてるのかな。乃里花はそんなことを思った。
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