夢の続きは隣の部屋で…
ピンポーン♪


悠果が拓登の部屋のチャイムを鳴らし反応を待つ。乃里花もついその場に居合わせて一緒になって待ってしまった。


ピンポン♪
ピンポン♪
ピンポーン♪

「ちょっと拓登ぉ!いるなら返事くらいしなさーい!!」

もうすでに10回は押しただろうか、ついでに大声で中に呼びかけもするが、人が出てくる気配はない。


「んもぅ…またどっか行ってるのかな、仕方ないなぁ」


悠果が諦めて帰ろうとしたとき、インターフォンから少し声の高い女の人の声が聞こえた。

「はーい、どちらさまですかぁ?」

「っ…あいつまたっ、、あのぉ、悠果です~!拓登さんにお話がありましてぇ…」

悠果は軽く舌打ちをすると、インターフォンに向かって大きな声で返事をした。状況の整理が上手く追いつかない乃里花は、ただ茫然と目の前の事態に立ち尽くしている。


しばらくして玄関のドアが開く。

「じゃあね、拓登くん、また来るね」

拓登の部屋にいた女の人、ハタチそこそこくらいだろうか、美人のショップ店員とは違った雰囲気の可愛らしさをもつ女性だ。彼女はこの状況になんの戸惑いもなく、慣れたように部屋をあとにする。
すれ違いざまに感じた甘い香水の香りに、乃里花は何故かドキッとした。

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