夢の続きは隣の部屋で…
乃里花は洗い物を終え、居場所を求めて元いたカーペットへと戻る。拓登はソファに座りケータイ片手にテレビを見ていた。
「…っと、、」
なにか話をしたいが、うまく言葉が出てこない。1秒1秒が重く長く感じ、息が詰まる。
「いやぁ…すっきりすっきり」
場の空気に耐えきれなくなるギリギリのところで、颯太が戻ってくる。
「あっ、私…か、帰ります。あの、ごちそうさまでした」
乃里花は慌てて鞄をつかむと拓登に深く頭を下げ、颯太の横をすり抜けると玄関げ向かった。
「お、じゃまた夜な~」
颯太が手を振って見送ってくれる。乃里花は焦る気持ちを抑えながら靴を履くと、拓登の部屋を後にした。