夢の続きは隣の部屋で…


「はぁ、楽しかったぁ!!…でも、さすがに疲れたな」

シャワーを浴びて一日の疲れを落とすと、鏡の前に座り化粧水を手に取る。

 『じっくり教えてやろうか、今から…』

ふと、2人きりのときにかけられた拓登の言葉がよみがえる。乃里花はあの吐息のくすぐったさを思い出してハッと左耳をおさえた。

「…あぁもう!!…たっくん、、なんであんなことするんだろ」


化粧水を顔につけながら、改めて交わした会話を思い出す。

「にしても『お前に手は出さねぇ』…って私に興味ないってこと!?なに…それ!!」

なにもなかったとはいえ、女好きの遊び人と銘打たれたやつに言われると、すこし腹が立った。

だめだ、やっぱりたっくんのことは忘れよう。


乃里花は近くに置かれたケータイを手にとると、スケジュール帳を開き新規登録ボタンを押す。


「今度の日曜日…颯太くんとデート、っと」

登録ボタンを押すと、無理にかもしれないが鏡に向かってニッコリ笑ってみせた。
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