夢の続きは隣の部屋で…
帰りの電車は少し気まずさが残ったが、あえてその話題に触れないようなんとか場をつなぎ、最寄駅まで帰ってくることが出来た。

「家まで送ってくれてありがとう。今日はすごく楽しかった!」

「良かった~。じゃあ、またね」

「うん、バイバイ」

乃里花が手を振ってマンションに入ろうとしたとき、

「さっき話、俺は本気だから!」

颯太はそれだけ告げると、猛ダッシュで去ってしまった。



その様子を目で追いながら、乃里花は大きくため息をつく。
告白されてから、胸はドキドキしっぱなしだ。

『どうしよう…』

もちろん颯太のことは嫌いではない。初めて話した時から気が合うと思っていたし、一緒にいてすごく楽しい。


もし、颯太くんが彼氏になったら…


たっくんのこと忘れることが出来るかな?



鞄につけたキーホルダーをそっと触り、乃里花はエントランスへと向かった。
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