夢の続きは隣の部屋で…
部屋には電気ケトルがお湯を沸かす音だけがこだまする。
乃里花は自分の鞄をつかみさっさと帰ろうとも思ったが、タイミングを逃してしまった。
おそらく、もう拓登は襲ってこない。
あの表情からそう感じていた。
「…プリン、あるけど食う?」
場を和らげようとしたのか、拓登が冷蔵庫からプリンを2つ取り出し、キッチンカウンターに並べる。
「ぁ…うん」
乃里花はベッドから立ち上がると、プリンを取りに向かった。
無言のまま時は過ぎる―。
乃里花はソファに座り、拓登はキッチンに立ったまま、紅茶とプリンを口にする。
これが『気まずい』じゃなかったら、なにが気まずいなのだろうか…そう思えるほどの時間。
その時間を切り裂いたのは、またしても拓登だった。
「颯太に、コクられた?」
「う…うん」
顔を赤らめコクンと頷く。
拓登は紅茶を一口飲むと、話を続ける。
「良かったじゃん、あいつ良い奴だし」
「…そう、なんだけど、、」
「けど?」
「うん…」
乃里花は返事に困った。
颯太はすごく優しくて良い人だ。駅の階段で助けてもらったとき、拓登の部屋で話したとき、そして今日のデート。
なにひとつ不満に思うことはない。
乃里花は自分の鞄をつかみさっさと帰ろうとも思ったが、タイミングを逃してしまった。
おそらく、もう拓登は襲ってこない。
あの表情からそう感じていた。
「…プリン、あるけど食う?」
場を和らげようとしたのか、拓登が冷蔵庫からプリンを2つ取り出し、キッチンカウンターに並べる。
「ぁ…うん」
乃里花はベッドから立ち上がると、プリンを取りに向かった。
無言のまま時は過ぎる―。
乃里花はソファに座り、拓登はキッチンに立ったまま、紅茶とプリンを口にする。
これが『気まずい』じゃなかったら、なにが気まずいなのだろうか…そう思えるほどの時間。
その時間を切り裂いたのは、またしても拓登だった。
「颯太に、コクられた?」
「う…うん」
顔を赤らめコクンと頷く。
拓登は紅茶を一口飲むと、話を続ける。
「良かったじゃん、あいつ良い奴だし」
「…そう、なんだけど、、」
「けど?」
「うん…」
乃里花は返事に困った。
颯太はすごく優しくて良い人だ。駅の階段で助けてもらったとき、拓登の部屋で話したとき、そして今日のデート。
なにひとつ不満に思うことはない。