夢の続きは隣の部屋で…
颯太の告白を断る理由は一つも思い浮かばない。
きっと、付き合ったら、すごく楽しいはずだ。
…ただ、乃里花の心にいる、たっくんが邪魔をする。
「無理に悩む必要ねーんじゃない?」
「えっ、、」
「お前もう高校生だろ、今、お前がしたいことすりゃ良いじゃん」
「今の…私、、」
拓登…いや、たっくんに言われると妙に説得力がある。
まるで過去を引きずっているのを知っているかのような拓登の言葉に、乃里花は紅茶から立ち上げる湯気を眺めながら涙が出そうになるのを必死にこらえた。
「私っ、帰るね」
涙がこぼれる前に乃里花は慌てて部屋を出る。
遠くから扉が閉まるのを確認すると、拓登はくしゃくしゃと髪を乱し表情を歪ませ、壁を軽く叩いた。
「俺、なにしてんだよ…」