夢の続きは隣の部屋で…
物語の展開は濃縮されてやってきて、またしばらく平和になる。
日曜が明けると、いつも通りの月曜がやってきた。
乃里花はほとんど眠れなった体を起こすと、制服に着替えて家を出た。朝は家を出る時間が違うのだろう、この時間に拓登に会うことはない。
月曜、火曜、水曜とそんな何もない日が続いた。
悠果とは学校ですれ違い手を振る程度で、
颯太への返事は今だ保留中、あれから連絡もとっていない。
そんなこんなで木曜を迎え、物語は再び駆け足で動き出す―
「ちょっと乃里花!!なんでそんな大切な話してくれないの!?」
「ごめーん、話す機会なかったし…」
「電話でもなんでも頂戴よ~!…で、どうすんの?付き合うの?」
本人から聞いたのだろうか、颯太が乃里花に告白したという情報を聞きつけたらしい。悠果は昼休みに押しかけては乃里花を食堂の隅にある席へと拉致した。
「ん~、まだ分かんない…」
見かけは平和だった3日間も、乃里花の心が休まる時は一瞬たりともなかった。
考えれば考えるほど頭がこんがらがる。
拓登を過去の思い出にするには、3日という期間はとてもじゃないけど短すぎる。