夢の続きは隣の部屋で…
「悠果は、拓登くんのこと好きなんだよね?」
「まっ、まぁ、そりゃ好きだけど」
「ちゃんと告白しないの?」
「んー、何回も考えたけどね。私には無理かな」
悠果は明るくそういうと、食堂の自販機で買ったホットココアに口をつける。
「そうなの?」
「…今の関係が壊れるのが怖くてさ。きっと、告白なんかしたら今みたく遊びにも行けなくなっちゃうから」
「壊れる…」
「だからずーっと私の片思い。ほんと、いい加減に早く次の恋見つけなきゃなんだよね!好きだった気持ちもまとめて思い出になるのが理想!!」
「思い出…か」
その言葉が乃里花にのしかかる。
「乃里花さ、昔の恋愛でなにかあった?」
「ううん、なにもないよ!ごめんね、ちゃんと颯太くんに返事しなきゃだね」
「そうだね、颯太、待ってるよ」
『今日、学校が終わったら会える?』
お昼休みが明ける少し前、乃里花は久しぶりに颯太にメッセージを送った。