夢の続きは隣の部屋で…
ホームへ到着するも、電車はまだ来ていない。
乃里花は乱れた呼吸を整えようと、近くの乗車待ちの列に並びながら深呼吸を繰り返す。

「あのさ、逃げなくても良いだろ？」

「ちっ、違っ！遅刻しちゃうの！…じゃ、私あっちから乗るから」

「この時間はじめてだろ、一緒に乗ったほうが良い」

「どういうっ…///」


人の気持ちも知らないで。

悠果と颯太から聞いた話が本当なら、なぜ拓登は嘘をつき続けているのだろう…乃里花には歯がゆさが残る。

そうこうしているうちに、電車がホームへとやってきた。



電車のドアがゆっくり開くと、車内の光景に思わず目を疑う。

たった２０分違うだけで、電車の混雑具合はここまで変わるのか、車内にはドアギリギリまで人で溢れていた。
乃里花は思わず乗るのを躊躇ってしまう。

「…この電車、直通だからすげぇ混むんだよ。でも、乗んなきゃ遅刻なんだろ？」

「そうだけど、、」

「ほら、乗るぞ」


拓登は乃里花の肩を寄せると、満員の車内へと足を踏み入れる。
乗るとすぐにドアが閉まった。
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