夢の続きは隣の部屋で…
そんなこんなで脳内を悶々とさせていると、拓登が急に口を開く。

「学校、連絡しなくてへーき?」

「わっ///そ、そだね」

言われてみれば遅刻確定。
学校に遅刻連絡をしようと、乃里花は慌てて鞄からケータイを取り出す。

「あっ…」

画面をつけようとボタンを押したところで、充電が切れていることに気が付く。乃里花はちらっと拓登の顔を見ると、拓登は小さくため息をついた。


「…番号、分かる?」

見かねた拓登が自分のケータイを乃里花に差し出す。

「ありがと、確か生徒手帳がここに…」

乃里花がケータイを受け取り、生徒手帳を出そうと狭いスペースで身をよじるように鞄をあさる。
そのとき手に持ったケータイがブブっとメッセージ着信を告げた。

「…っ」

なにげなく目に映った画面には、『荒井麻衣』と送信者の名前が表示されてた。


おそらく拓登も送信者に気が付いただろう、ちいさく舌打ちをすると、乃里花からケータイを取り上げる。

「わりぃ」

拓登は眉間にしわを寄せ、少しだけケータイを操作すると、再び乃里花の手元に戻した。

この前、マンションの前であんなこと言ってたのに、
まだ連絡を取っているなんて…

乃里花は複雑な気持ちを抑えられないまま、学校に電話をかけた。
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