夢の続きは隣の部屋で…
しばらく時は流れる。
乃里花はこの状況に馴染めず、ジュースを少し飲んではチラッと拓登を見る。を繰り返した。


繰り返すこと10数回、ようやく拓登と目があう。

「なに?」

「あっ…いや、、///そっ、そうだ。まだ言ってなかったと思うけど、颯太くんのこと…」

「あいつから聞いた」

「そ、そっか…」

なかなか話が続かない。
でも、拓登に言いたいことも聞きたいことは山ほどある。
女の子からの告白を断るときのセリフ、オムライスの話、悠果とのこと、、そして乃里花との過去の約束。

拓登の真実はどこにあるんだろうか。


「あのさ、、」

「えっ?」

「お前はさ、幼稚園の頃、覚えてるの?」

「…えっ?」

「俺とお前、同じ幼稚園だったろ、そのときの…」

「覚えてるよ!」

「っ…」

「覚えてる。忘れるわけ…ないじゃん」

…たっくんと結婚の約束したことも。


乃里花は出かかった言葉を飲みこむと、寂しそうに下を向く。


「…そっか。変なこと聞いたな」

「ううん、ジュースのおかわり、貰ってくるね」


そういって乃里花は逃げるように席を立った。

『拓登くんは?本当に覚えてないの?』

今ここで、この質問が出来たら2人の関係は大きく進展しただろうか。
乃里花の気持ちは楽になっただろうか。

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