夢の続きは隣の部屋で…
…ポ~ン♪
ピンポン♪ピンポ~ン♪
「うぇ!?誰か来た?って朝!!?」
突然のチャイムに驚き、慌ててベッドから転がるように起きる。
カーテンから漏れてくる光で、すでに朝になっていることに気が付く。
インターホンが家のどこかにあると思うが、そんな余裕もなくボサボサの髪も気にしないままバタバタと玄関のカギを開ける。
「はい…っ!」
「おはようございます、宅配便ですー!秋元乃里花さんですね!お荷物です!!エントランス出なかったからご不在かなーって思ったけど、いてくれて良かったです!!」
玄関の前に立っていたのは、爽やかな笑顔を振りまき自慢の筋肉で全国のマダムを骨抜きにするで有名な宅配便業者のお兄さんだ。
「あっ、えっと、ありがとうございます!!」
寝起きでこんなテンションで来られても反応できないのは当然として、段ボール箱を受け取ろうとしたら、
「あの……ここにサインを…」
なんて、配達のお兄さんに注意された。
「ありがとうございました~!!!」
乃里花が荷物を受け取ると、笑顔と汗を振りまきながらお兄さんは全力ダッシュでその場をあとにした。
東京にも親切そうな人はいるんだなぁ…
乃里花は寝ぼけ眼をこすりながら、玄関のドアをしめようとしたとき、
ガチャ!
隣の家の玄関が開いた。