夢の続きは隣の部屋で…
動き出した電車を止めることは不可能だ。
どこかのタイミングで話しが出来るかもしれない。と、乃里花は覚悟を決めて拓登の誘いに乗ることにした。
初めて学校をサボることへの罪悪感と、真実を突き止めることへの緊張と不安で、乃里花の気持ちはごちゃごちゃになる。
ただ、、心のどこかで拓登と2人で過ごせる時間に、喜びを感じていた。
2人は都心のターミナル駅で電車を降りると、さらに電車を乗り継ぐ。
さすがに平日のこの時間に外を歩いている高校生はいない。
乃里花は自分が少し不良になった気がして不思議と嬉しくなった。
「…どこ、行くの?」
乗り換えた電車に揺られながら、乃里花は拓登に質問する。
「いいから」
拓登はどこに行くのか教えないまま、電車はどこか遠くへと2人を運んでいった。