夢の続きは隣の部屋で…
「…ごめん、またケータイ貸してくれる?」

申し訳なさそうに拓登にお願いすると、拓登は仕方なくポケットからケータイを出す。

…とそのとき、またしても着信を告げケータイが震えた。


「わりぃ、悠果…」

そういうと拓登はケータイ画面をスライドし電話に出る。

「はい」

「ちょっ拓登!!乃里花どこいるか知らない!?」

乃里花にもはっきり聞こえるくらいの大きな声が場にこだました。

「ったくうっせーな、ここにいるよ」

「はぁ?どゆこと!?乃里花そこにいるの?」

「…あーめんどくせ、ちょ待ってろ」

そういうと拓登は「悠果から」をぶっきらぼうに告げると乃里花にケータイを渡す。
乃里花はゆっくりとケータイを耳にあてた。

「もしもし、悠果?」

「乃里花~!!なにしてんの!?先生たち大騒ぎだよ??」

「ごめん、ケータイの電源切れちゃってて…」

「もぉ…で?今日は学校サボって拓登と一日一緒?」

「…うん」

「そっか、上手くいった…のかな?」

「…うん」

「良かったじゃん!!」

思った以上に悠果の声は明るくて、乃里花はほっとした。

「ありがとう…」
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