夢の続きは隣の部屋で…
悠果との電話を終えると、続けて学校に電話をかける。
登校しなかった理由は上手くごまかせずに言うことが出来なかったが、ひとまず連絡がとれたことで先生たちは安心したらしい。
明日、HRの30分前に生徒指導室に来い。とだけ言われた。
「ごめんね拓登くん、ケータイありがとう」
「拓登で良いよ、」
「じゃぁ…たっくんでも良い?」
「あー、、できれば他ので…」
「出来ないって言ったら?」
珍しく乃里花が優勢、拓登は小さくため息をつくと、
「好きにしろ」
そう言ってケータイと奪い返すと、さっさと改札に向かった。
乃里花はその背中を見ながら、クスッと笑みがこぼれる。
「たっくん待ってよー!」
きっと、夢見ていた世界はこれだ。
乃里花は駆け足で拓登に追いつくと、少し頬が赤くなった拓登に向かって満面の笑顔を見せた。