運命×GAME
もうひとつの理由
その後、あたしはいつも通り授業を受けた。


和は礼から写真を見せられたらしく、あたしとは視線を合わせようともしなかった。


2人の距離は急接近していて、礼はそれを見せびらかすように大きな声で会話をしている。


「なにあれ、感じ悪いね」


結菜が顔をしかめてそう言う。


だけどあたしは返事をせずに、2人の会話を聞いていた。


「今夜ライブ会場でパーティーがあるんだけど、和も一緒にどう?」


「夜はちょっと、うちの親案外厳しいんだ」


パーティーか。


夜のパーティーということは礼の家の公式的なパーティーとは違いそうだな。


あたしはぼんやりと、そんな事を考えていたのだった。
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