運命×GAME

☆☆☆

その日はなかなか寝付けなかった。


まさか野乃花からキスをしてくるとは思っていなくて、不意打ちをくらってしまった。


あんな可愛い事をされたら誰だって頭の中が彼女一色になってしまうだろう。


俺は寝返りを打ってため息を吐き出した。


明日はバス旅行なのに寝不足になってしまいそうだ。


そう思ったとき、スマホが鳴りはじめた。


枕もとの時計で時刻を確認すると夜の１１時。


こんな時間に誰だよ。


そう思ってスマホを見ると、そこには野乃花からのメールが届いていた。


｟なにか、夢見た？｠


そんな短い文章に俺は眉を寄せた。


「夢……？」


わざわざこんな時間にこんなメールを送って来るなんて、どうしたんだろう？


俺は首を傾げる。


夢の話が聞きたいなら、明日の朝メールをしてくればいいのに……。


そこまで考えてハッと気が付いた。


俺は自分の胸に手を当てる。


ここにあるハズの俺の番号札。


自分では確認できないけれど、その番号は野乃花には見えていたはずだ。