ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「違います」
「きっもちわる」
「そんな抑揚つけながら感情込めて言わなくてもいいでしょ?」
「まあぼっち脱出に足がかかってきたくらいで調子のんなよな」
「ええそうですね。気をつけます。まあこれでヨウの成仏も近そうだね」
「全然そんな気しねーな。やっぱり成仏できないのひな子カンケーねーのかな」と、呟いた。
「知らないけど。とりあえずヨウは邪魔しないでね」
「邪魔って?」
「みんなといるときにこの前みたいに押したり余計なことしないでってこと!」
「あーそうそれが邪魔ってわけね。ひな公のくせに偉くなったもんだなぁ」
はいはいと受け流しながら、思い出した。
「あっ!」
「なんだよ?」
「ヨウはさ、豚汁とカレーとシチューだったらどれがいい?」
「ん?」
「今日のホームルームで校外学習で作る料理、そのみっつから選べるんだって」
「カレー」と即答した。
「カレー?」
「甘いやつね」
「えっ? 甘いの? すっごい意外!」と笑うと、うっせーとおでこにデコピンされた。
あの顔で、甘いカレーが食べたいなんて似合わなすぎる。