ぼっちな彼女と色魔な幽霊

良かった。

司書の宮崎先生は図書室で見かけていた通り物腰が柔らかく優しそうな先生でと、ほっとしていたのにガラリと扉が開くと、

「おおっ!お前かーっ!新しい図書委員は!やる気のある奴を待ってたんだよ!」

と勇ましい声が響いた。ずかずかと足音を立てて近づく。噂の竹本先生だった。

竹本先生は強引に握手をすると、「よろしくな。困ったらなんでも相談しろよ」とたぶん本人的には爽やかに言ったつもりっぽいけど、声が野太いし、見た目がガチガチの体育会系だからどうにもこうにも決まらない。

そもそも図書室が似合わない。

図書室という空間に人体模型がある位の違和感があった。

わたしに熱く委員会活動について語る(長すぎて割愛)竹本先生。

それを見守る宮崎先生の笑顔がひきつっていた気がした。
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