ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「西宮さん、二嶋とどう?」

「えっ?」

「仲良くなれそう?」

「なれるといいけどねー」と、突然の質問にドキドキしながら返事をした。

「仲取り持ってもらえるようお願いしてみたらー?」と、悪魔の囁きみたいにヨウが言う。

外野、うるさい。横目で睨む。

「なれるよ。ここにいれば。大丈夫」と、優しく言うと微笑んだ。

「う……うん」

その一言に、わたしはここにいて大丈夫だよと背中を押された気がして少し嬉しくなった。

「二嶋くん、そういえば怪我してるんだよね? 見た感じあまりわかんないけど大丈夫なのかな? って今日も部活いかないから、気になっちゃった。そんなにひどいのかな?」

「ああ足の怪我? あたしはもう治ってると思うんだけどね。たぶん部活に行きたくなくて言い訳に遣ってるんだよ」
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