ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「腰回り、意外とあるよな、お前」

「考え事ってウエストかーっ!」

ぐらぐらにわざと揺らしながら蛇行運転で走った。落ちろ、落ちろと唱えながら。

「お前、絶対転ぶぞ」

「じゃあ、降りてください」

「別に腰回り太いのがダメだなんて言ってねーじゃん。安産型だっけ?子供産むときいんじゃねーの。よくわかんねーけど」

「こ……子供って!」

そんな付き合ったことのないわたしに描きようのない未来。

「今、やらしいこと想像しただろ」

「してない!やだ!もうこの下ネタ幽霊!」

「下ネタ言ってねーじゃん」

そのとき重心が大きく右に傾いた。

「わっ」

倒れる。そう思ったすんでのところで、止まった。

どうにか踏ん張れたみたい。冷や汗かいた。

ふと横を見ると、ヨウが家の外壁に片手をついていたから、支えて踏ん張ってくれたみたいだ。
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