ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「そんなことよりも」
「ん?」
「あれ作れよ。ミサンガ」
「……」
「願い事叶うんだろ? 俺の成仏願え」
「……しっかたないなぁ。さっさと成仏してもらわないと困るからね。作ってあげるよ」
「聞き分けよくなったな。ひな公」
「元々心が広いの!好きな色ある?……あっ、ミサンガの糸の色にも意味があるみたいだよ」
「意味?」
「うん。なんだっけな。赤が恋愛とか運動で白が健康とか」
「なんかどれも関係なさそうだな。成仏なんて色なさそうだし。じゃあ白、赤、青」
「オッケー。手芸やさん寄ってていい?」
「仕方ねーな」
「ヨウの為に作るっていうのに、なんで仕方ないのよ」
大通りの信号待ちをしてたいると、ふと視線を感じた。
ショートカットのハツラツとした印象の女の子がこっちを見ている……というより、視線は少しずれていてヨウを見ているように見えた。