ぼっちな彼女と色魔な幽霊
そう思ったのは、わたしだけじゃなくて、ヨウもだった。
「……なんか俺、今向こうにいる女と目があってる気がすんだけど。お前、見える?」
「……ショートの子だよね?」
「気のせいじゃないよな?」
一度目を離し、困惑した顔でまた視線をヨウに戻すから余計に見えているんだと実感してしまうんだ。
女の子は急に踵を返すように、向こうに行ってしまった。
「わたしも見て……た気がする」
「ひな子、先帰れ。俺、あの女と話してくる」
「ヨウ!」
とっさに彼の腕を掴もうと手を伸ばしたけど、掴みきれなくて、ヨウはそのまま行ってしまった。