ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「しっ……知らないよ」
「まあいいや。もしさ、またあの子見つけたら教えて。たぶんお前が叫んだら、俺に伝わる気するから」
「うん」
ヨウはちゃんと自分を知って成仏したい。
幽霊の純粋な願い。
ならわたしはこうやって、左腕についたミサンガに毎日祈るしかない。
それが生きてるわたしに出来る唯一のことなのだから。
「よし。ヨウ、ゲームしよう!得意だった?」
「ゲーム? ひな子には何も負ける気がしねーな」
ヨウの過去にわたしはいないけど、せめて死んだあとのこの時間を楽しく過ごすことで、ヨウの大切な記憶を呼び戻してほしいと願いたくなった。