ぼっちな彼女と色魔な幽霊
12
「あのおやじ」
放課後、図書準備室で遠矢くんが憎しみを込めて呟いてた。
「なしたー?」と、才伽ちゃん。
「竹本から書きたいことあるから広報誌のスペースあけてほしいとか言われてあけてやってたのに、今月忙しいから他のやつにしろとか言ってきやがった。
こんくらいのスペースだぞ、こんくらいの」
パソコンを前にイライラしたご様子。後ろからそっと見た。
「しゃーねー。挿し絵でかくするか」
どんっとA4サイズの四分の一を占めるくらいの本を持った少女の絵が差し込まれる。
でかすぎるから!
「と……遠矢くん、冷静になってみよう」と、恐る恐る言う。
あ、また睨まれた。やっぱりこの人、なんか恐い!
「他の人にお願いすればいいんじゃないの?
インタビューみたいな感じにして、本について語ってもらうとかにして」
二嶋くんは言った。
「あー。いーじゃん。それ。そーしよー!」
才伽ちゃんは、何も考えてないような口調で髪をいじりながら同意する。