ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「へええ。毎年そんなのやってんだ。知らなかった」と、才伽ちゃんが言う。

「そうらしいよ。可愛い人とかイケメンの人だったら名前とか知らなくても目立つし、知名度あるのかなーとか思うし。
あと純粋に知りたい人いたりして」

そのとき扉が開いて、珍しく委員長の佐田先輩が顔を出した。

「あっ、先輩いいとこに!」

才伽ちゃんが手を挙げ叫ぶ。

「なに?」

「去年のミスターとかミスの人って誰ですか?」

「ミスコン?そんなの訊いてどうすんだよ?」

「インタビューして好きな本とか色々語ってもらおうかと思って」

「へえ」と言うと、「ミスターは忘れたけど、ミスは覚えてるよ」と、続ける。

「二年の鳥越花愛(トリコシカナ)」と訊くと、わたしはえーっ!と、叫んでいた。
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