ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「言ったけど」

なにこの人?

エスパーなの?第六感がいいの?

わたしの胸のうちがわかるなんて。

「とりあえず立てよ」と、腰をあげてわたしに手を差し伸べる。

こんな所に這い蹲っていても仕方ないので、とりあえずここを出よう。

話はそれからだ。

すっかり腰がぬけてしまったわたしは、自分の力じゃ立てそうになく、差し伸べてくれた手を掴んだ。

……冷たい。

どう考えても人間に感じられる体温ではなかった。

「えっ?」

そっと顔をあげると、彼は綺麗な笑みを浮かべた。

……もしかして?

立ち上がると、わたしは一目散に逃げ出していた。
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