ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「ごめんごめん。行くか」と、才伽ちゃんが戻ってきた。
先輩は中学校と一緒で陸上部のマネージャーをしているらしい。
男子はあまり乗り気じゃなく見えたから、言い出しっぺのわたしと
「行くよ」と言ってくれた才伽ちゃんと二人で、花愛先輩がいるであろう運動場へと向かっていた。
才伽ちゃんは言った。
「これでオッケーもらってインタビューできたら、終わりだね」
「そうだね。わたし途中参加だからあれだけどみんなは大変だったよね?」
「んなことないよー。わたし自分の振り分けられたのしかやってないし、殆ど秀一がやってるもんだからね。あいつタイピング超速いから。パソコンにも触れてない」
アハハと笑った。
「にしても本当にミスコンの人にインタビューなんかで良かったかな?
遠矢くんがなんていうかその……なんも言わないまま決まったから」
「えーいいんだよ。みんなで決めたんだし」
「なんか顔が恐かったから」
「あはははは。苦手なの?」
才伽ちゃんは、あっさり言った。