ぼっちな彼女と色魔な幽霊

そういえば明日、図書準備室で話を訊かせてもらおうかと提案したら、

才伽ちゃんに慌てて「教室のがいいよ」とか言い直されちゃった。

あんまり関係ない生徒出入りさせたらまずかったのかな。

そういうの知らなかったな。わたしなんて関係ないけど、顔出したこともあったから。

嫌な気分にさせなきゃいいけど。

小さいことだけど、こういうの気にする。

「ていうかさヨウ、明日も先輩見に行くつもり……」

顔をあげるとヨウがいなかった。

またか……。

勝手に消えて勝手に現れるけどいつも本当にどこいってんだろ。

でも話の途中で消えることなんてなかったのに。

どうでもいいのかな。

「幽霊だって、会話できるなら気ぐらい遣え」

呟いて、クッションをベッドに投げつけた。
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