ぼっちな彼女と色魔な幽霊





職員室前の廊下で遠矢くんを待っていた。

竹本先生に、一度確認してもらわなければならない。

出てくると、無表情で「終わった」と言うから、「よし帰ろう!」と、清々しい気持ちで四人で駅まで向かった。

四人で帰るのって、初めてだな。

ちょっと嬉しい。

それにしても今日は一日、ヨウが姿を見せていない。

どこをほっつき歩いてんだか。

もしかして家出か?

だから何も言わずに消えたのか?

「ひな子ちゃん聞いてる?」

そう訊いたのは、二嶋くんだった。

「き……聞いてない!」

「胸はるとこじゃないでしょ」と、才伽ちゃん。

「打ち上げしようって話してたんだよ」

「打ち上げ?」

「うん。どう?」

「し……したい」

「今週の日曜日は?」

「大丈夫!」

元気よく答えていた。

だって休みの日に友達と会えるなんてなんか、夢みたいだ。
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