ぼっちな彼女と色魔な幽霊

なんだあれは。

なんだあれは。

教室で、ふぅと息を吐いて落ち着いた。

後ろを振り返ると、男の子はいなかった。

……良かった。

うまく振り切ったみたい。

鞄を手に取って、学校から早く離れたかったから早足で帰った。

下校中も電車の中や、路地を気にしながら歩いたけど、彼は現れなかった。

幽霊かと思っちゃった。

さっきまでの自分が、バカバカしすぎて笑いたくなった。

もしかすると、わたしに触れる前にすごく冷たいものでも触っていただけだろう。

そう思えると段々と同じ学校の男の子だったんだと考えが変わってきた。

急に逃げ出したから、変な女だと思ったよね。

恥ずかしい。でもあれは驚かすのにベストなタイミングだよね。

もう学校で会わないといいけど。恥ずかしくて会わせる顔がない。
< 18 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop