ぼっちな彼女と色魔な幽霊
ヨウは笑う。

「そんな科白を言っても様になるイケメンで繊細な感じの人現れないかなぁ」

「繊細ね。繊細な奴がひな子を好きになるか?」

「うっさい」

「でも俺はあれだな。決められた科白を言われるより、自分の言葉で言われたほうが嬉しいけどな」

「それはそうかもしれないけど妄想がわたしの支えなんだよーだ。ほっとけ。どうせ言ってくれる人なんていないのわかってます」

すねたふりをすると、「月がきれいですね」とヨウは真面目な顔でわたしに言った。

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